JR西日本とJR東日本は、2024年3月16日(土)に開業する北陸新幹線の金沢駅〜敦賀駅間について、延伸区間にかかわる特急料金を2023年9月22日(金)付で国土交通大臣に認可申請しました。
隣駅までの自由席特急料金は880円
先日のダイヤ概要に続く運賃・料金の発表で、北陸新幹線延伸がより具体的に見えてきました。申請されたのは、ベースとなる自由席特急料金の上限です。延伸区間の営業主体はJR西日本ですが、JR東日本区間とまたがる場合の料金も同時に申請されています。現行の料金体系から変更はなく、認可後にグリーン料金やグランクラス料金、座席指定料金、各種企画商品についての届出が実施されます。
運賃については、建設キロ数をもとにした「営業キロ」に対し、既存区間と同様に「幹線」の賃率を乗じて算定されます。
開業後、普通車指定席を利用する場合、主な区間の運賃・特急料金合計額(大人・通常期、以下同じ)は、東京駅〜小松駅間が14,600円、東京駅〜福井駅間が15,810円、金沢駅〜福井駅間なら3,740円です。また、東京駅〜福井駅間でグリーン車を利用した場合は運賃・料金合わせて23,660円、「グランクラス(飲料・軽食あり)」利用なら32,040円となります。
延伸区間に対しては、隣接する駅間で自由席を利用する場合の「特定特急料金」も届出予定です。金沢駅〜小松駅間など各駅間とも自由席特急料金の上限は1,870円のところ、低廉な880円という料金が適用されます。また、越前たけふ駅〜敦賀駅間には、普通車指定席利用時にも特定特急料金1,410円(通常期)が設定されます。
(北陸新幹線延伸後の運賃・特急料金、在来線特急と乗り継ぐ特急料金の現行との比較など詳細は下の図表を参照)
大阪〜金沢は敦賀乗り換えで1620円値上げ
現行の料金制度を踏襲する北陸新幹線内に対し、関西・中京方面と北陸新幹線を乗り継いで利用する場合のおねだんは大きく変わります。対象は、富山駅以西の北陸新幹線と、在来線特急列車「サンダーバード」または「しらさぎ」を敦賀駅で改札を出ないで乗り継ぐ場合です。
この場合の特急料金は、新幹線と在来線の特急料金をそれぞれ1割引してから合算した金額となります。普通車指定席を利用する場合、割り引いたそれぞれの自由席特急料金の合計に、座席指定料金に相当する530円を加えます。2列車の利用であっても、座席指定料金として収受されるのは1列車分のみとなります。
この算出方法は、西九州新幹線の武雄温泉駅〜長崎駅間が2022年9月に開業した際、新幹線と在来線リレー特急を武雄温泉駅で乗り継ぐ際に設定された特急料金と同内容です。
現在、金沢駅で北陸新幹線と在来線特急を乗り継ぐ場合、在来線の特急料金を半額とする「乗継割引」が実施されています。乗継割引は、北陸新幹線の延伸を機に全国レベルで廃止となることが決まっており、敦賀駅での乗り継ぎ開始後は適用されません。新幹線と在来線の特急料金を単純に合算すると現在よりも大幅に割高となるため、新たな割引制度による負担増の緩和が図られるかたちです。
大阪駅〜金沢駅間は現在、特急「サンダーバード」一本で結ばれていますが、北陸新幹線延伸後は、敦賀駅で新幹線「つるぎ」に乗り換えることになります。普通車指定席利用時の運賃と特急料金の合計額は、現行の7,790円に対し、開業後は9,410円で、1,620円の値上げとなります。
そのほか、大阪駅〜福井駅間は現行比で1,150円、特急「しらさぎ」利用による名古屋駅〜金沢駅間は1,620円のそれぞれ値上げとなります。現在も乗り換えが必要な新高岡駅・富山駅を発着する一部の区間を除くと軒並み値上げされることになり、新幹線による所要時間短縮に見合った差額かどうか、利用者にはシビアに判断されることになりそうです。
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